他者と生きる 磯野真穂著 平均化に抗する人間観とは - 日本経済新聞

死刑宣告をされ、銃殺される寸前で助かった経験のあるドストエフスキーは「たとえどんな生き方でも――ただ生きていられさえすればいい!」と書いた(『ドストエフスキー全集6 罪と罰』小沼文彦訳、筑摩書房)。人間は生きたい。しかし、100歳以上生きる人もいれば10歳未満で亡くなる人もいる。だから「人生の長さは生きた…